形成外科を一言で言い表すと「皮膚や筋肉、骨などの体の組織の移動や移植により、変形した体の一部や失われた体の一部を修復することによって、その部分の働き(機能)を取り戻す。あるいは一段と向上させるための外科。」と定義できます。
形成外科が扱う主な対象は、生まれつきの異常(先天性異常)、変形症、けが(外傷)、腫瘍、再建、美容の六つに大別できます。形成外科で扱う先天性の異常は、頭、顔、手足、体幹の主に表在性の、あるいは一目見れば分かる形の異常が中心です。
変形症は、生まれ持った要因(広い意味では体質といってよいかもしれません)により、成長につれて体の一部が変形する場合や、小さい頃のけが、手術、化膿などが原因となって次第に変形を生じてくる場合などです。
けがの種類もまちまちです。やけどもけがの一つには違いありませんが、交通事故、転倒、傷害、あるいは犬に咬まれた、などのけがが代表的です。創(キズ)をきれいに、あとが目立たないように治すことが大きな目的の一つである形成外科ですから、顔のけがは形成外科の中で大きな割合を占めています。
もちろん顔だけではなく、手足や他の部位のけがも創がきれいに治ることは患者様の強い希望でもあります。創をきれいに治す、ということは早く治すことが前提です。創は皮膚だけとは限りません。皮膚の下の大切な神経が切れているかもしれませんし、骨が折れているかもしれません。このようなことを正しく見極めて適切な処置をすることがとても大切です。
腫瘍には良性のものと悪性のものがありますが、形成外科が扱うのは皮膚を主とした表在性の腫瘍です。腫瘍を取ったあとが、できるだけ目立たないように工夫しますし、悪性腫瘍を切り取った後の修復や再建も形成外科の大きな分野です。再建とは、体の一部を手術や、けがで失った後を、なるべく元の形に近づけるための手術です。
例えば、口の中の癌で、舌や下顎を切り取らなければならないことがあります。切り取ったままでは、食べられない、言葉に不自由する、唾液が流れつづける、などの障害が残ります。もちろん、顔の形も問題です。このようなときに皮膚や筋肉、骨などを移植して、できるだけ元の形に近い状態を再現するのが再建です。
美容はもちろん美容外科のことですが、形成外科の中の一分野です。日本の美容外科は、一昔前には美容整形と通称されていました。一部では医学的常識から、はずれた有害な治療も行われていた事実もあり、世間からは色メガネで見られていた歴史もあります。
しかし、医学的に適切に行われる限り、美容外科も本来の医療の一分野であることは世界的に見ても疑う余地はありません。命とは無関係だが身体各部の形を整え、それによって気持ちが明るく、心も豊かになるようにするのが美容外科の本来の目的です。
残念ながらこの分野の“医療”は、保険診療が認められず自費診療となります。安心して形成外科・美容外科が受けられるようにとの院長のご配慮から、医療法人社団松本脳神経外科クリニックで形成外科を始めることになりました。多くの方の受診をお待ちしています。